#MIDI3 第2回 深水家十七回忌エレクトリカル法要

#MIDI3 とは

MIDI制御を使ったものづくりするひとが3人集まって何かする。そんなイベントです。

第2回のメンバーは

  • uzuki_aoba
  • wks
  • necobit

ライブ配信アーカイブ動画

喪主挨拶・お焼香タイム・仕組み解説トーク 仕組み解説トークその2 木魚故障・修理 喪主より引き出物 仕組み解説トークその3・締め

なぜやるのか

それは、仕事があまりに忙しくて喪主なのに帰郷できないuzuki_aoba氏とチャットしていた時のこと

「いや帰るの無理」
「技研でやるか、代わりに」
「じゃあ技研らしくnecobitさんがMIDIで木魚叩いて」
「ええよ」
「技研に連絡してイベント枠抑えた」
「ー」

ということで制作開始。

やるからにはマジである。

  • necobit
    木魚と鈴をMIDIで叩かせ、初音ミクにお経を唱えさせる。
    +他の人のメカのMIDIデータ作成
  • uzuki_aoba
    遺影をMIDIで光るようにする

という感じで、まずはそれぞれ機構部分検討…しているところに

  • wks
    レシートプリンタの用紙が売るほど余っているのでMIDIでお経を出す

3人になりました。ん?これは…#MIDI3 じゃないか!!!

というわけで、MIDIでものづくりする3人が集まって何かするイベント #MIDI3 第2回 として開催することになったのです。→第1回はコチラ

全てMIDI制御で動作します

仕組み解説

全体のシステム図

MIDI自動演奏 木魚・鈴 by necobit

necobitが作る打楽器…となると決まって使っているソレノイドですが、今回はサーボだ!!!!!!

木魚

技研BASEマスターに教わった差動機構を使い、薄い板を2枚重ね片方を固定もう片方をサーボで動かし木魚を叩きます。

https://twitter.com/necobitter/status/1426143333395550211

サーボはMIDIメカニカルシステム基板 MP-8 で制御。

鈴の方はスタンダードにサーボでバチを振り回してぶつけることに。

https://twitter.com/necobitter/status/1426728211480682496

パリピ遺影 by uzuki_aoba

NT金沢2021で展示したパチパチクラッピーーデコデコキットの応用。M5ATOM LiteでBLE MIDI受信とにかく光るノートオンで問答無用で光る(てことは鍵盤弾いても光る)

https://twitter.com/necobitter/status/1432185714389569544

お経レシートプリンタ by wks

MIDIノート(=音符データ)に応じてお経の文を印刷。垂れ流しじゃないよ。MIDIチャンネルとノートナンバーの組み合わせで印刷させる文字列が選べる。読経のこのタイミングでこの部分を印刷!ができる。

https://twitter.com/wks/status/1432283020271108103

さらに!ベロシティ(音の強さ)の値を秒数に変換し指定した秒数でモニタ画面の文字の色を変えていく謎のカラオケ歌詞表示機能まで搭載。

https://twitter.com/wks/status/1432287940395208712

そんな機能追加は、実装する側とプログラムする側の労力を必要最小限にするために生み出された。

製作の裏側

今回は全員がちょうど仕事が立て込むタイミングだ…がッ!
引かない!誰一人!睡眠時間を削り、仕事を差し置いてそれぞれの機器を完成に向かって作っていく。バカだなー。

さて、necobit的には木魚と鈴をある程度形にしたら全体を動かすMIDIデータを作っていく必要がある。

お経ならみんな大好き般若心境を作っておけば良いだろうとたかを括っていたが、衝撃の「うち浄土真宗なんです」の言葉。
(浄土真宗では般若心境を唱えません)
その日から浄土真宗(西本願寺派)のお経について調べる日々…
長らく調べた付け焼き刃の知識により、
「正信偈(草譜)」と「念仏和讃」の二つのお経を唱えることにした。
(参考:京都女子大学 正信念仏偈・念仏・和讃・回向データベース

お経はその読み方でイントネーションが全然違うんですが、なんと上記のリンク先で楽譜にまで起こしてくれているのでありがたく参考にさせていただいた。

あとはひたすら打ち込み打ち込み…しかしお経、拍子があるにはあるんだけどたまに変わってしかも、自分が今どこを打ち込んでいるのかわからなくなって迷子になりやすい。何度も自分がどこを打ち込んでいるのかわからなくなりながら数日かけて音符を打ち込み完了…

したら今度はPiapro Studioで初音ミクに言葉を入れていく。
これも現在位置行方不明必至でなんどもなんども行ったり来たりした。

そんなわけでお経をなんとか打ち込み終わったら、木魚と鈴は手元にあるので動きを打ち込んでおいて、wks氏の分とuzuki氏の部分は想定で仮データを入れておく。特筆すべきは、二人とも前日深夜までまだ改善を続けることだ。「可変できるパラメータ増やした」「この値でテロップのスピードが変わる」すげー。データ作るのがどんどん大変になっていく。

そんな意地の張り合いチキンレースを経て、いよいよ当日。
wks氏は仕事を抜けて設置に来て一応の動作を確認して仕事に戻っていった。uzuki氏は開演時間ジャストまでテレカン予定。
みんなどんだけ忙しいんだ。

とはいえ要素は全て揃った。珍しく全員持ち寄った全てのものが動いている。こうやって仕様だけ決めてバラバラで作って当日合わせでなんとかなるのはMIDIのいいところ。セッションミュージシャンみたいですな。なんとなく。

そして開幕時間を過ぎて駆けつけるwks氏、テレカンが終わらないuzuki氏待ちでちょい押ししたものの、無言で法要スタート(法要だからね)。

チーン…………

https://twitter.com/ichirowo/status/1432691260452601859

鈴の音から始まるお経。初音ミクさんも問題なくお経を読み始め、木魚も淡々とリズムを刻む。順調だ。

途中、色々間に合わなくてテープどめしていた部分が剥がれたり、木魚のバチの部分が折れたり、ヨユーヨユーって言っていたレシートプリンタの紙が切れたり(補充した)と色々あったが、無事2時間の法要を完走することができた。

まとめ

今回はBLE MIDIを使う、それなりの動きをするサーボを連続動作させる、マスター以外にもMacを使ったりと、前回の#MIDI3 よりも複雑なシステムになったが、それでも根本はMIDIなので情報のやり取り的なところで混乱することもなくうまくやれた。

こうやって持ち寄りで構築できるシステム、やはり面白いなーと思うのでまたやりたい。


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