暴れる猫への強制給餌のやり方

2017年春先にこげびっとに急性腎不全から慢性腎不全の進行があり、
一時食欲がほとんどなくなってしまい強制給餌をすることになりました。
ありがたいことに今では食欲が戻り、ほぼ日常生活に戻りましたが、
その間は猫も人もかなり消耗戦だったので、
同じような境遇の人と猫の手助けになればと思い、
便利グッズを記しておきます。
※我流で試行錯誤したものなので、
これがすべてのケースでのベストではありません。
強制給餌は飼い主の責任において行ってください。

シリンジ

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ちょっと使いかけでアレですが、
カテーテルチップシリンジというやつです。
ペーストのフードを詰めて使います。
20mlタイプまでは女性でも片手で扱えるのでそれ以下がオススメです。
通販で買えるものはいくつかメーカーがありますが、
ネオフィードというブランドのものが内径が太く
粗めのペーストでも出しやすいです。

テルモは内径4mmですが、ジョイントタイプなので
中で一度絞られており詰まりやすいです。
ニプロはもともと内径2mmでやはり細いです。
(どちらも20mlでの話)

フード

与えるペーストは、フードプロセッサーで細かく砕いたドライフードの
ロイヤルカナン腎臓サポートスペシャルを
同腎臓サポートリキッドタイプを湯せんして
人肌程度に温めたもので溶いたものをあげていました。
ドライフードは腎不全の療法食ならなんでもいいと思います。
リキッドタイプはとても高価ですが、カロリーゼロの水で溶くよりも
全体量が少なくて済むので重宝します。

保定袋(猫袋)

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これは皮下点滴をしている最中の写真ですが、
この保定袋が強制給餌にも非常に役立ちます。
手足を伸ばして暴れられないためか、猫自身も
あまり暴れませんし、暴れても飼い主が怪我をすることはありません。
保定役が必要ないため一人でも給餌できますし、
両手を給餌に使えるため短時間で終わります。
結果、猫も人も負担が少なくて済むので、
毛布などでくるんで暴れる猫に苦労している飼い主さんには
迷わずおすすめします。

こちらで購入しました。
お店の方も非常に親身になって対応してくださるとてもよいお店です。

給餌の仕方

シリンジはもともと一回使い切りに作られているので、
何度も洗って使っているとすぐにピストンの動きが
鈍くなりますが、ペーストをあらかじめ
シリンダーとピストンの接触部に塗ると多少はスムーズになります。
シリンダー内壁にうすーーーーーくサラダ油を塗ると
すごくスムーズに動きますが、こげびっとはこの時期
よく吐いたこともあって、体への影響がわからず途中でやめました。
ジェントルフィーダーという給餌用のシリンジも
ペットコーナーで売っています(使ったことはありません)

こげびっとの給餌スケジュールは
だいたいドライ9gに対してリキッドを25cc、それを日に3回。
抗生物質の影響で吐いてしまうことも多かったので、
体重減少はゆるやかになる程度でした。
全部吐かずに食べてくれればある程度体重維持はできると思います。
量を増減させる場合は、
ドライ:リキッド=1:2.8
くらいを目安にすると押し出しやすかったです。




保定袋に入ってもらって、体勢はやりやすければどうでもいいですが、
猫が不安定にならないようクッションなどの上に置いた上で
足の上に乗せてあげる等すると良いと思います。
正対、横から、後ろから、猫と飼い主次第だと思うので
いろいろ試してみてください。

こげびっとは犬歯の後ろあたりにペーストを少しずつ出しながら
押し当てると(多分液状のものが入ってきたと思って)口を開くので
そこですっと舌の上まで先端を入れると共にニュッと1ml位
出したらすぐに抜いてアゴを閉めて飲み込むまで軽く抑えつつ
少し上を向いてもらう感じです。
投薬と同じ要領で上から両顎を掴むと
首を振れないので楽です。

慣れると30分かからず全量あげられるようになります。
保定袋が無い時は1時間以上かかっていたので、
暴れて大変な場合はまず保定袋を検討するのがおすすめです。

それまでの試行錯誤

最初はドライフードを一粒ずつ口の中に放り込んで、
一時間で10gがやっとというところから始まり、
リキッドタイプを哺乳瓶で一日200mlあげていたら
げっぷでべとーっと吐き出されたり(多すぎた)、
悪戦苦闘しながらこのやり方にたどり着きました。
Youtubeに上がっている強制給餌の動画、
どれもとても参考になりましたが、激しく暴れる猫の動画が
無い理由は「録画なんかしている余裕がない」からだと思います。
暴れる猫には保定袋、です。

ご飯を食べない猫が少しでも元気になりますように。
DSC01316

次→猫のご飯のカロリー計算エクセル
猫へ8ヶ月間のラプロス投与と血液検査の記録


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コメント

“暴れる猫への強制給餌のやり方” への3件のフィードバック

  1. […] 一番大変だった時期の記録 →暴れる猫への強制給餌のやり方 […]

  2. […] も、猫袋を着せられること自体かなり嫌がっていたのですがはっきり言ってコレが無かったら治療継続できなかったかもしれない。(詳しくはコチラ→ 暴れる猫への強制給餌のやり方) […]

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