MIDI自動演奏 鍵盤ハーモニカ鍵盤MIDI送風ファン
(概要・仕組み解説は→コチラ)
あらたな試みとして
PWM制御を取り入れた、
音量強弱・奏法の表現力アップ
PWMとは…
Pulse の Width を Modulation する。
機械とかシンセとかいろいろな事に使われている技術。
ここでは、
necobit の MIDI自動演奏 鍵盤ハーモニカと
MIDI制御送風ファンに
どうPWMを使ってどんな結果になったか
を、書きます。
MIDI送風ファンのPWM制御
この送風ファンは
ラジコン用ブラシレスモーターを使ったファンを
3Dプリンターで製作したものです。
MIDIメカニカルシステム MP-8から
ファンの回転数をコントロールすることで
鍵盤ハーモニカの音量を自在に制御できます。
上限値を変えずに音を小さくする
MIDIコントロールチェンジ CC#2 で
送風ファンの回転数をコントロールします。
🌀MIDI送風ファンをPWM制御
— necobit ねこびっと🤖🎶⚙🎼 (@necobitter) August 29, 2020
音量や音色を変えるMIDIの機能「コントロールチェンジ」を使います
CC#2(画面の黄緑🟩)にご注目👀
ここでのPWMは🐮送風ファンのON/OFFを高速に切り替える
1.PWM無し
2-4.PWM幅を変えて
音量上限数値は同じなのに、OFF-ONの幅が大きくなるほど👂音が小さくなります
⏬ pic.twitter.com/ukcaUf4SPJ
一定の上限値で、ON-OFFを高速に切り替えます。
(ONは60ticks間隔)
OFFから次のONまでが広くなるほど
音量が小さくなります。
上限値を変えずにクレッシェンド・デクレッシェンドする
CC#2のOFFからONまでの間隔を
段階的に変えていけば
音量をだんだん大きく/小さくできます。
🌀MIDI送風ファンをPWM制御で < >
— necobit ねこびっと🤖🎶⚙🎼 (@necobitter) August 29, 2020
(イエ猫あり🐈)
ひとつの音の中でPWM幅を変えればクレッシェンド・デクレッシェンドできます
4回とも同じ < > ですが、上限値を変えることで全体音量もコントロールできます。
元気な曲調・静かな曲調などに合った、強弱の表現ができます🐮
⏬ pic.twitter.com/845Oks1WhG
上記ツイート内 誤:4回 正:3回
他楽器と組み合わせて合奏する
といった場合などにも、
ニュアンスを損なわず
素早く全体音量の調整ができます。
ダイナミクスの大きな音量変化
鍵盤ハーモニカソロ楽曲や
クラシック楽曲など、
ダイナミクスを幅広く使った音量変化。
🌀MIDI送風ファンで音量差の強い< >
— necobit ねこびっと🤖🎶⚙🎼 (@necobitter) August 29, 2020
PWM制御によるクレッシェンド・デクレッシェンドに
上限値の段階的な増減を組み合わせると
大きなダイナミクスにも対応できます。
(※動画は
上限値100-110-115-110-100
最大127まで上げられます)
⏬ pic.twitter.com/PjpRdl8ZpB
動画テスト時は、上限値100から115の範囲でしたが
最大値は127です。
CC#2=64でOFF
現状(2020年8月)この鍵盤ハーモニカの場合
CC#2=90以下の送風ファン回転数では
音を鳴らすのに適した風量にならないため、
この記事の作例動画では、下限最低値は100になっています。
逆回転で瞬時に音を止める
OFFを受信してから完全に止まるまで
惰性による回転があります。
CC#2を63以下に設定すると
送風ファンは逆回転します。
🌀MIDI送風ファン🔄逆回転を利用する
— necobit ねこびっと🤖🎶⚙🎼 (@necobitter) August 29, 2020
ファンのコントロールデータ🟩(CC#2)は
🔸正回転ON 65-127
🔸OFF 64
🔸逆回転ON 63-0
ファン逆回転=吸うなのでピアニカ鳴りません。が、
急ブレーキさせて瞬間的に音を止めることができます💨
動画は、110から64(OFF)・110から60(逆回転)
⏬ pic.twitter.com/aXrgt6iLkv
(動画の画面内、黒線のついたCC#2が逆回転の値)
正回転中に、逆回転の数値をひとつだけ入れ
ブレーキの効果で音が瞬時に止まります。
ファンが逆回転=吸う状態になっているので
鍵盤ハーモニカが打鍵されても、音は鳴りません。
逆回転とPWM制御を合わせた強弱変化
🌀MIDI送風ファン、逆回転とPWM制御の複合
— necobit ねこびっと🤖🎶⚙🎼 (@necobitter) August 29, 2020
フォルテピアノクレッシェンドなどの素早い強弱変化もできます。
動画では逆回転の瞬間にファンのブレーキ音も聞こえています💨キィーッ
音が消え切る前に、クレッシェンドをスタートさせることでfpの p 弱音を持続できます。
⏬ pic.twitter.com/9uXf9hEuL9
逆回転で瞬時に音量を落とし、
音が完全に消える前に
PWM制御で弱音を持続させ、クレッシェンドにつなぎます。
フォルテピアノクレッシェンドなどのような
素早い風量のコントロールも可能になりました。
ソレノイドのPWM制御で打鍵スピードを変える
このMIDI鍵盤ハーモニカは、
MIDIノートON/OFF=ソレノイドON/OFFで
打鍵用のパーツを動かしています。
🎹MIDI鍵盤ハーモニカ👇打鍵スピードを遅くする
— necobit ねこびっと🤖🎶⚙🎼 (@necobitter) August 30, 2020
ノートON/OFF=ソレノイドON/OFFの高速連打PWM制御で、弱アタックを作ります
1. ノーマル打鍵
2,3. 15ticksごとの連打間隔
デュレーション6と7、👀1違うだけで打鍵の押し込みに差がある
4. 連打間隔とデュレーション次第でフラッターもできる
⏬ pic.twitter.com/fMt3im4uuG
MIDIノートを細切れにすると
通常は連打音になりますが、
あるところでPWM制御の効果を発揮し
打鍵の押し込みがゆっくりになります。
(テンポによって適切なデュレーション値は変わります)
ただし、ゆっくりながら底まで押し込んでしまうため
押し込みを半分で止めるなど
打鍵量までコントロールすることはできません。
また、ソレノイドやパーツの各組み付け具合によっても
反応はそれぞれ異なりますので
その場その場での調整が必要になります。
謝辞
このようにして向上した
MIDI自動演奏 鍵盤ハーモニカの表現力の結果が
冒頭の演奏動画です。
(まだまだ詰められるところはたくさんありますが)
この成果を取り入れて、
Maker Faire Tokyo 2020の展示で披露します。
送風ファン・打鍵に、PWM制御を取り入れることについては
明和電機 土佐正道会長にアドバイスをいただきました。
ありがとうございます。
備考
ところで🔄ファン逆回転で音が消えて、OFFで音が消えないの⁉️
— necobit ねこびっと🤖🎶⚙🎼 (@necobitter) August 29, 2020
🌀扇風機と同じです。スイッチを切ってから完全に止まるまで惰性で回ります。
だんだん回転が遅くなる=だんだん風量が落ちていく
コレを利用して、鍵盤を弾いている間にファンをOFFする「惰性デクレッシェンド」もできます
⏬ pic.twitter.com/9H6XDzRKms
ところで🐮💥PWM使わなかったらどうなるの⁉️
— necobit ねこびっと🤖🎶⚙🎼 (@necobitter) August 29, 2020
DTMでエクスプレッション(CC#11)を使う感じで、クレッシェンド・デクレッシェンドさせてみますと👂
🟩データの線は滑らかなわりに、音が急に大きくなったり…
より自然な強弱変化には(🌀このMIDI送風ファンの場合)PWMを使う方が良いようです🐮🎵
⏬ pic.twitter.com/fSLOxx6Af7
ところで👇MIDIなのにベロシティ使わないの⁉️
— necobit ねこびっと🤖🎶⚙🎼 (@necobitter) August 30, 2020
制御基板のひとつ MD-16 に電圧調整機構が無いため、ONかOFFしかできません
また
ソレノイドは僅かな組み付け差で反応が変わるため、ONとOFFで扱うのが一般的です
前項のPWM弱アタック・送風ファン制御方法各種の組み合わせで、多様な鳴りを作ります
⏬ pic.twitter.com/CYIB6fvKAa
余談
(余談🙊)ヤマハ自動演奏ピアノはタッチの強弱ができるよ⁉️
— necobit ねこびっと🤖🎶⚙🎼 (@necobitter) August 30, 2020
あれも鍵盤を動かす仕組みにソレノイドが使われています→ https://t.co/AlnrphISI6
が、
ソレノイドの動きをさらに別センサーが感知して制御し、打鍵を完璧にコントロールしている…らしいです
莫大な開発費用と労力あっての製品🎹
⏬
制御基板「MIDIメカニカルシステム」について
necobit の自動演奏楽器は、
自作の製品「MIDIメカニカルシステム」シリーズで
MIDI制御しています。
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