なんだかいつの間にコントロール不能になるMoog Slim Phatty。
そのバグっぽい挙動の解決策は実に単純なものだった。
Slim Phattyの初期状態は、アナログ制御で使用される前提で設定されているっぽい。
CV/GATEといって、電圧によってノート音と音の高さを制御するタイプで、
昔からアナログシンセとしてはごく一般的な制御方法。
で、今の外部音源制御の主流と言えば、MIDI信号。
Slim Phattyも当然この制御はできるので、MIDIで
接続していた。
0〜127の128段階のデータを使用して制御するんだけど、
このデータを使用して制御する場合、Slim Phatty本体が
自分で自分を制御する機能(ローカルコントロール)を
オフにしなければならない。いわゆるローカルオフ(LOCAL OFF)モード。
ローカルオンの場合は自分で自分を制御する。
これは特に問題無いと思っていたのだが、これにMIDI制御が
追加された場合、自分で自分を制御しようとする信号に、
MIDI制御信号が被って送信されるので、同じデータを
2回受け取ることになってしまう。これがおかしな挙動の原因だった。
で、このローカルコントロールをオフにすると、
おかしな挙動はなくなった。
これで全て解決、と思いきや、まだ問題があったんですわ。
ローカルオフによって全ての制御はMIDI信号を使う事になった。
そしてMIDI信号というのは0〜127の128段階。これが問題。
なにが問題って、データが荒すぎる。
この荒さだと、音質の変化が階段状になってしまい、
フィルターの開閉する「しゅわーん」とか「ひょぅー」とかいう
変化が「ぴるるるるー」という
いかにもデジタルな挙動になってしまうんである。
さあどうしたもんか、と、説明書をパラパラめくっていると、
MIDI制御の部分で、14bitモードというのを発見した。
MIDIは通常、7bit(2の7乗)制御だけど、
このデータを二つ使って7bitと7bit、あわせて14bit分のデータで
一つのパラメータをコントロールするモードらしい。
14bit(2の14乗)というと、16374段階のデータになるので、
これだけ細かくなると、人の耳だとほぼ分からないくらいの
滑らかな音質変化になる。
この二つの設定をすることで、SlimPhattyがようやく
大体言う事を聞く様になった。
しかしピッチベンドレンジの設定する時に
まるでルーレットの様に数値が変わるので、
やはりファームウェアは早くアップデートして欲しい所。
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