なにもかも皆懐かしい…そんな RolandのSound Canvasが
ソフトシンセになって帰ってきた。
Sound Canvas VAの登場です。
Sound Canvasって言われてもピンと来ない人も、
SC-88ProやSC-55mk2とか言われたら聞いたことが
あるのではないでしょうか。
まだPC上でオーディオ録音をすることが
一般的ではなかった時代に一世を風靡したMIDI音源のことです。
公式ページ→SOUND Canvas VA
さて、ソフトシンセになってその再現度はいかほどかというと…
個人的には「まあまあ」です。
こんな感じで、画面には12パートしか表示されていませんが、
全部で16パート使うことができます。
マップはSC-8820,SC-88Pro,SC-88,SC-55,
CM-64系ですが、CM-64系はエディットできないから
オマケでしょうね。
そしてソフトシンセゆえ何台でも立ち上げられます。
つまりハードだったころの32ch制限を超えて
たくさんのパートを使えるということですね。
こんな感じでシンセ上で音色を選んでいくスタイルを
想定して作られているのでしょうが、昔ながらの
シーケンサーから全てをコントロールするスタイルで使うと
大きな問題があります。
ソフトシンセはDAW側からでは、パッチリストに
音色名を表示することができません。
これはDAWの仕様上仕方がないのでしょうが、追い打ちをかけるように、
Sound Canvas VA上で音色のバンクナンバーを
確認する方法がありません。
これがどういうことかというと、音色セレクト情報を
MIDIデータとして打ち込もうとした場合、マニュアルを読んで
そこに記載されているバンクナンバーを打ち込むという
石器時代のような方法をとらなくてはなりません。
もう一つ問題をあげるとこの音源、GS RESETがかかると
強制的にSC-8820MAPに切り替わります。
ハード音源のようにSC-88ProMAPのみを使えるようにはできません。
そんなわけで、ハードウェアの音源と完全互換
とまではいかないようです。
この2点はローランドのサポートに改善を要望しました。
音色のエディット画面。
データ密度が上がりすぎるともたる…のではなく
パニックを起こしてグシャーっとなったり、
なんかアタックが遅く感じることがたまにあったり、
特定音色の特定音程だけコーラス(というか、デチューン)が
かかった音になることがあったり、
DAを通っていないから少し音の重心が上に上がって聞こえたり、
リバーブは新しいリバーブらしくあのガサガサ系ではなく
スッキリ系になっていたりはするものの、
聞こえる音は確かにあのSCシリーズの音。
WindowsやMacに標準搭載されている
GS Wavetable SynthやQuicktime音源とは
音色自体も表現力も段違いに上がるので、
OS標準搭載の音源で打ち込み頑張っている人は
検討の価値ありだと思います。
2016/1/20時点では公式サイトでの
ダウンロード販売だけのようです。
公式ページ→SOUND Canvas VA
仕事で使っている人は、
自分の後に検収をしてくれる人がいる場合は
恐らく問題ないでしょう。意図は通じます。
ただしCC32で音源MAPを指定しなければならないので
そこは事前に了承を得たほうが良いと思います。
自分が最終検収者の場合はハードの音源があったほうが
安心できます。その位の同じ音で違う音です。
バグについては今後のアップデートで改善が
期待できますが、DAの音質再現とリバーブの違いについては
再現はしないコンセプトなのだろうと思いました。
Rolandの次回アップデートに期待です。
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