カーボンスピーカー が やってきた!(レビュー)


ある日、necobit宅に一つの荷物が送られて来た。



荷物を


開けてみると、


中から、


木の実カーボンで出来たスピーカーが…!


そう、これが世に聞いた事の無いカーボンスピーカーである。


光をあてるとこのイカつさ。

PC用のお安いスピーカー(YST-M5)からユニットを取り出す
 ↓
趣味でカーボンでエンクロージャー作った←この時点で何かオカシイ
 ↓
おおっ何か面白い出音!
 ↓
せっかくだから音に精通した人間に聞いてもらいたい
 ↓
いるじゃん!あいつしかいねー!


    あいつ↑

という次第で試聴役という重大な任務を受けたのですが、
一つ問題があるとすれば、
necobitはそっち系のエンジニアでは無いという事だろうか。

しかし送られて来たのはどう見てもプロの仕事のブツ。
こんな凄い箱にPC用のチープユニットを納めるブッ飛び加減が素敵です。

さすがカーボン!硬い音ですねー」とか言って
失望されたらもう立ち直れないかもしれない…。
分からないなりに全力でレビューをしようそうしよう!


中身より外身のねこびたまはこちらになります。
プチプチが保温材になってあったかいそうです。

まず、スピーカーの下に10円玉を置いてインシュレーターにするという
定番貧乏チューンですが、このスピーカーではあってもなくても
全然変化がありませんでした。
そもそも置いている台が中空で12mmのベニヤ板な上に
完全な平行が出ていないというかなりなめた場所というのもありますが、
エンクロージャー自体が超硬いから中からも外からも
振動の影響を受けにくいのかもしれません。

で、正面に陣取って聞いてみると、
定位がかなりくっきりとした印象。
これは…カーボンの硬さゆえなのか?

吹奏楽を鳴らしてみると、金管楽器の鳴り方がとても気持ちよい。
低音はでないけど、小さいスピーカーにありがちな
シャカシャカした感じも無く、とても澄んだ音がする。

ポップス系のクランチギター(もちろん種類によるけど)は、
音量を上げて行くと、高音にミョンミョンした音が聞こえる。
これだけ違和感が目立つという事はポコっと一部だけ飛び出ているのかな。
音量が小さいときはわからない。

ぱっと聞いてみた印象はそんな感じで、
PC用の安物スピーカーのユニットとは思えない。
サイズや構成はごく普通のエンクロージャーに見えるので
これもやっぱり材質の持つ特徴なのだろうか。
ていうかバスレフポートのパイプまでカーボン!
そんなもの始めてみたよ!

ちなみにカーボンカーボン書いてますけど、
正しくは炭素繊維強化プラスティック
(CFRP、carbon-fiber-reinforced plastic)です。

音の数値化まではできないnecobit、ここから先の分析は
音楽用プラグインの力をかりましょう。

適当なソフトシンセで倍音のないサイン波にします。
んで、スペアナを立ち上げて周波数を見ながら、
聞いて特徴のある帯域をピックアップしてみるという作戦。

まず低音は80Hz位まで殆ど聞こえず。
90位から出て来て、150位からは結構しっかり出るから、
よっぽど低音ばっかりじゃない限りは曲が破綻したりはしない。


500-600Hz辺りでふっと凹む。
でもボーカルが引っ込んだりしないのは不思議。
むしろクッキリ聞こえる。


そして多分この辺りがミョンミョンの正体だと思われる。
ピンポイントで飛び出ているのかと思ったけど、
2kHzあたりから4kHz辺りまでがほんの少しだけ
耳障りに膨らんでいるようなかんじがする。
といってもこう聞く分にはほんのちょっとの差。
それが音楽を聞いた時には大きな影響を与えるんだから不思議。

それ以降はなだらかに消えて行くけど、
高域はひとそれぞれの耳次第でもあるから客観的な判断は難しいな。

というわけで、
低音は出ない、中域にくぼみあり、高域にちょっとふくらみあり。

さて、これを少しでもフラットに近づけられるだろうか。


このベゼルの裏側は


ちょっとだけ空間があってひょっとして変に音が回ってるかも?
てな発想で外してみるもこれは意味無し。

試しに中に積められていたナイロンの綿を
タオルに変えてみたら、高音だけじゃなく色んな所が吸われて
しょぼーんとした音になった。

逆に全部とっぱらうと音がハネまくってグシャーっとした音に。

内面に薄いゴム板を貼る、グラスマットを吸音材としてつめるとか
他にも色々考えたけど、チューニング地獄が口を開けて
オイデオイデしているのが見えたので、ここらでいったん切り上げ。

しかし、コーンの部分にカーボン素材うんぬん…と言った
商品は数多くあれども、エンクロージャーの部分が
カーボンというのは一度も聞いた事がない。
材料費と加工難度ですかねー。
一般金属用のドリル刃だと、二つくらい穴を開けると
もう刃が使い物にならなくなるそうです。硬すぎだ。

総評としては、クセがあって低音が無いからモニター用途としては
無理があるけど、定位がものすごくしっかりしていて音の分離もいいので
コンパクトなリスニング向けとしては疲れにくくて聞きやすい。
チープなユニットでこれだけのグレードアップ感があるなら、
素性の知れているユニット、例えばFE83Enなんかを入れたらどうなるんだろうか…?

→こうなった

オマケ

「位相反転よりも密閉の方がむしろ向いてるのかもしれないですね。」
と言われて会話しながら「位相反転 スピーカー」で検索して
意味を調べるの図。


荷物を開けた時の反応、トトロの真似のつもりなんだぜ…

楽天市場でFE83Enを検索

作成者: necobit(ねこびっと)

音楽と電子工作でMIDI寄りものづくりをするユニット。MIDI制御基板の開発・販売、製品作例として自動演奏化楽器の展示・音とメカのパフォーマンスを行なっています。

6件のコメント

  1. おお、レビューありがとうございます!
    やっぱしワタシのような自己流で「こんなモンか」的な作り方では程度が知れてましてw
    おかげで次に新造する時のヒントがつかめた感じです。

    1. こんな文章をレビューと呼んで頂いて逆に恐縮です。
      気になる所の解決方法まで示せれば良かったのですけど…
      今までコッチ方面の自作は興味なかったのですが、
      木なら自分でも出来るかな…なんて考えている自分が恐ろしいです。

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