先日色々と用意したものを持って、数年ぶりに友人のOとメンテナンス。
Oの家に向かう途中。サービスマニュアルを忘れたことに気が付く。
家をでてすでに20kmほど走っている。
そして二人とも倒立フォークのオーバーホールはしたことがない。
そこでスキャナ&メールですよ!
自宅にいるもう一人のnecobitに該当ページをスキャンして
メールで送ってもらう。プリントアウトして無事マニュアルは準備できた。
作業開始!
まずはジャッキアップせずに緩められるボルト類を緩める。
上側のトップボルトは30mm。それほど硬くない。
ブレーキキャリパーはこの時点で外してOK。
その後、ジャッキアップしてカバー類を外し、タイヤを外す。
緩んだ状態でフォークを回しながら抜く。これで外れる。
ここまで変わった作業はなし。
ジャッキアップは
アストロプロダクツのジャッキ(楽天市場リンク)をチャンバーにかまして、
三角スタンド併用すればフォークを外してもぶっ倒れない。
フロントスタンドほどは安定しないのでまたがらないよう注意。
トップボルトはかんたんにゆるむので、外すとスプリングが出てくる。
意外にもバイーンとはならないので、さくっと外す。
ちなみに、シール交換のみするならトップボルトはプッシュロッド(中の棒)から
外さなくてもできる。けど、油面高さの調整が出来ないので、
正確に高さをあわせるなら外したほうがいい。
ここを外すにはマニュアルには特殊工具の
フォークスプリングホルダが必要とあったが、なくても問題なし。外せる。
逆に、インナー側についている14mmの六角になっているバルブは、
本来特殊工具がないと外せないのだが、O所有のエアインパクトレンチで
「カッカカカカカカカカカン!」と外させてもらった。
うーん、インパクトって便利すぎ。
インパクト中。
肝心のところがフレームアウトしてるのが味があっていいよね。
バルブを外したら、リテイニングリング(シール類のつっかえ棒役のリング
)を外して、
インナーとアウターをもって、カンカン強く引っ張ると
ズボッと外れるので、バラバラにする。
分解したフロントフォーク。
オイルは赤黒かった。
もともとは透明なので、かなり劣化してたんだとおもう。
そして今回交換するパーツ。
左から、ガイドブッシュ、オイルシール、ダストシール、リテイニングリング、ワッシャー。
シール二つ以外は変えなくてもよかったかもしれない。
外した方の上記部品。
やっぱりそれなりに痛んでる感じ。
ガイドブッシュを慎重に外すと、シール関係が全て外せるので、
新しい部品と交換する。
インナーを傷つけるとあえなくチューブもご購入となってしまうので、
傷つけないようにビニール袋をかぶせて、グリスをたっぷり塗る。
O「顔出しは勘弁してくれ」
とのことで、モザイクバッチリです。
部品を入れ終わったら、アウターとドッキング。
そしたらひっくり返していよいよ緊張のシールの打ち込み。
この打ち込みは特殊工具がないとものすごく苦労する羽目になるので、
ちと高いけどおとなしく特殊工具を買いましょう。
↑(楽天市場リンク)
フォークシールプッシャー(フォークシールドライバー)
まずはガイドブッシュとワッシャーだけを打ち込んで、
その後にオイルシールを打ち込む。
ここまできたら終わったも同然。
あとは逆の手順で組み付ける。
インナー側のバルブを締めたら、
アウター側からオイルを入れる。
…
フレームアウトしてるけど、オイルを入れてる真っ最中。
一気に入れるとあふれるので、コポコポ少しずつ入れる。
いれたら、プッシュロッドをゆっくり上下させてエアを抜く。
これも慌てるとオイルがぶはっとでるので、ゆっくり。
本来なら、フォークスプリングを外した状態でフォークオイルを入れ、
油面の高さをキッチリ合わせて入れる必要があるのだけど、
この後用事があるために、量をきっちり測って入れて、高さの確認はしなかった。
まあ、オイル交換だけなら簡単だ、ということがやってみてわかったので、
気になったら再調整をしよう。
※オイル交換だけの場合、インナー側についているバルブを外す必要がない
(=特殊工具もインパクトレンチも必要ない)
ので、割とさくさくできる、と思う。
メモ
オイル量:325+-4ml
油面高さ85+-2mm
どちらもKX80Z(ラージ)のデータ。
スモールは328+-4ml,80+-2mm
エア抜きが終わったら組み立てて、
体重をかけてオイルが漏れてないかチェック。
組みつけの時につけたダストシールにつけたグリスがつくけど、
多分オイルは漏れてない、と、思うので、車体に組み付けて終了。
組み付け後のフォーク。美しい…っ!
てなわけで、この日の整備は終了。
二人がかりで大体4時間ぐらい。
でも要領はわかったので、次は半分ぐらいの時間できると思う。
ふだん一人で「…。」と整備しているもんだから、
あーだこーだしゃべりながら整備するのは楽しかった。
結果的にKX80の倒立フォークのオーバーホールに必要な工具は、
インパクトレンチ
30mmの六角ソケット
14mmの六角(インパクト対応)、
オイルシールドライバ
メスシリンダー
オイルレベルをキッチリ出すなら
150mmぐらいのM10のボルトと、それにあう長いナット
(特殊工具のフォークピストンロッドプーラの代用)
あとは一般工具があればできた。
インパクトがない場合は特殊工具のフォークシリンダホルダが必要。
本日の「ぐわっ!」なシーン。
エアインパクトの隙間からオイルが噴出し顔面直撃。
それでもインパクトレンチは便利だったなー。欲しいなー。
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