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夏バテかと思ったら急性腎不全だった!猫の尿路結石の話。

ねこびたま11歳、危ない橋からどっこい元気復活。
猫の急性腎不全は
2日持たず手遅れとなり死んでしまう例もあるそうです。

どこかの猫さんのお役に立つかもしれません…
ウチの例を記録しておきます。

2016年8月6日 食欲・元気・尿・便 異常なし

        
帰るなりゴロリと撫で要求をする、ねこびたまさん。
この日まではまったく悪い様子もなく
夕食もペロリと平らげました。

2016年8月7日 朝から食欲無し

朝食を半分以上残す。

暑い日・湿度の高い日に食べ残すのは、ねこびたまのよくある話。
いつもは、残した分を数回に分けて食べきるところ…

昼になっても夕方になっても食べない。

残りじゃなく新しいフードも食べない。
いつもの(慢性腎不全用)じゃなく普通猫用のフードにしても食べない。

ここまでの症状…

  • 食欲が無い(わりにはそれほどひどく調子悪い感じでもない)
  • 3時間に1回くらいの割合で、嘔吐(透明な泡=胃液・胃酸)
  • 落ち着きがなく家中を転々としている
  • 同居猫が近づくのも嫌がる・ひとりになりたがる
  • 後ろ足が時々フラつくように見えることがある

夜になってようやく
猫用おやつフードを少々なめ、
そのうち調子が出てきてドライフードも少々食べる。

この時

  • 人の指が鼻に当たるだけでビクビクする、異様な緊張状態

2016年8月8日 AM9:00 血液検査がとんでもない数値!

慢性腎不全の悪化だといけないので、朝1番で病院へ。
(ねこびたまは、2011年から慢性腎不全です)

聴診器・全身触診の健康診断では、異常なし。
尿毒症の症状に貧血もあるそうですが…それも無し。
先生も「胃腸炎かな?」と言いつつ

「腎臓への影響が無いと判断できてから、
(胃腸炎の)薬と点滴をしたほうが良いので
 血液検査をお勧めしますが、
どうしますか?」

😨どうしますかと聞かれたので「いいえ胃腸炎の薬だけでいいです」の選択肢もあったということですよ危ない運命の分かれ道ですよ

そして血液検査の結果
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半年に1回、慢性腎不全の検診で血液検査をしてきまして
ほぼ横ばいの数値だったのが
いきなり危険な状態の数値に急上昇!

この時、ねこびたまは
グッタリしていたわけでもヨロヨロしていたわけでもありません。
ちょっと元気が無い程度、待合室でニャーニャー言ってたくらいです。

しかしこの状況は即入院!緊急入院!!

血液検査結果の画像をみてもわかるとおり

  • 猫の基準値…BUN32.8 Cre1.8
  • ねこびたま…BUN101.5 Cre8.3

「既に危険な状態です。」

腎臓疾患は表にあらわれにくい
と、知ってはいたものの…これほど分かりにくいとは。

2016年8月8日 PM17:00 入院・検査でわかった原因

輸液(点滴)で排尿を促進させながら、尿毒症の進行を遅らせ
超音波検査・レントゲンなど検査を進めます。

夕方、検査からわかった
急性腎不全の原因・回復に必要な処置の説明を受けました。


朝起きてからここまで、約12時間

  • ねこびたまは一滴も尿を出していません。

尿が出ない → 老廃物が体に残りっぱなし → 腎臓に負荷

これがあっという間に起こって
💀2つある腎臓がどちらも壊れてしまうと、死亡します。
急性腎不全とは恐ろしい病気です…。
(腎臓が原因じゃなく、結果的に腎臓がダメになるのも腎不全)

結石による尿路詰まり

腎臓 → 尿管 → 尿 → 結石 → 尿管 → 膀胱 → 尿道 

腎臓で作られた尿が、膀胱より手前で
結石によりせき止められて詰まっている状態。

腎臓はきちんと機能しているらしく、
尿は作られていくものの…出られない!

膀胱に溜まるはずの尿が、尿管に溜まって
腫れている。しかも左右両方同時に!

(珍しい例だそうです)

溜まった尿を抜いて、結石を除去する手術

😨手術前に選択肢もありました。

      1、説明通りの手術をすぐにする
      2、輸液で尿が出るのをまだ待つ
      3、輸液もやめて、もう自然のままにまかせる

2は、効果に期待できる可能性はほぼ無く
しかも急性腎不全ですから、気長に構えていられる状況でもありません。

しかしこのとき
最初の慢性腎不全発症時の、元気無い状態から比べたら
はるかにヤル気と意志がある…と
猫自身の、体の状態と精神状態のギャップに少々驚きつつ
猫の気持ちがそんななので
じつは飼い主も悲観していなかったのです。尿が出ればどうにかなる。

手術をお願いして、自宅待機…

2016年8月8日 PM21:00 手術結果


コレは正確には手術翌日の面会写真ですが…

なんと開腹手術する直前に、
12時間以上溜まりっぱなしだった尿が出ました。

手術のはじめに打った
鎮静剤の注射に、痙攣を緩和する効果があるそうで
それでどこかが緩んだのか
結石と尿管にスキマが空き、詰まった尿がどんどん出始めたとのこと。

輸液をしながら、
尿の出具合・血液検査などで様子をチェックする
入院状態へ戻りました。

獣医師先生や看護士さんは、
飼い主ほど楽観的になれるわけがない医療知識で猫を診ているので
手術前に尿が出た瞬間は、よかったよかった安堵の合唱だったそうです。

2016年8月9-11日 輸液・血液検査しながら入院


いったん尿が出始めたら、その後も順調な排尿。
輸液で体に入った水分と同じだけ、尿が出ているとのこと。

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というわけで、ご覧ください、
尿が毒素を排泄すれば、どんどん下がっていく数値…。

輸液のおかげで、いい結果の数値になりがちだそうですが
わずか3日で基準値の範囲まで落ちました。

2016年8月12日 造影検査

造影検査とは何ぞや?
…人間でいえばバリウム検査みたいなもので、
造影剤を注射などで投与し(飲まない)
腎臓が動いているか・
尿路に詰まりがないかなど分かる検査だそうです。


尿管内に結石もみられず、
溜まり続けた尿の毒素にやられることなく
腎臓は左右両方とも機能していることが判明。

2016年8月13日 輸液なしで血液検査・退院

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画像は、退院から1週間後の検診分まで。
血液検査の数値は、基準値内で落ち着いています。

これにて、腎臓への後遺症無し!
慢性腎不全は相変わらず、
一度詰まったことで結石のできやすい体質となりました。

退院後の処置としては

  • フード変更
     慢性腎不全用のロイヤルカナン腎臓サポート → 猫下部尿路疾患用のヒルズc/dマルチケアコンフォート
  • 定期検査
     2ヶ月に1回ほど、血液検査・尿検査などで腎臓と尿路の状態をチェック

ところで

手術前に尿が出たおかげで、なんだか奇跡的な話にみえないこともないですが…

  • 尿が少ない
  • 尿が出ていない
  • 食欲がない
  • 元気がない

なんとなくでも、様子がいつもと違う?なんかおかしいぞ?
と思ったら病院に連れてきてくれれば
急性腎不全は治せる病気、とのことです。

ねこびたまも、食欲が無い程度の症状だったものの
病院に連れて行くのが半日〜1日遅かったら
かなり手遅れだったとか…

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“夏バテかと思ったら急性腎不全だった!猫の尿路結石の話。” への4件のフィードバック

  1. […] 夏バテかと思ったら急性腎不全だった!猫の尿路結石の話。 […]

  2. […] 石による急性腎不全で緊急入院を経験して… (詳しくはコチラ→ 夏バテかと思ったら急性腎不全だった!猫の尿路結石の話。) まいにちのトイレ(量・回数・色)食事や様子などを ほぼ […]

  3. みほのアバター
    みほ

    開腹手術はしなかったのでしょうか?
    今うちの子が似た状態です。
    条件が悪いのがすでに一個の腎臓が小さくなっててほぼ機能してないと言う点。
    腎臓が悪い子に全身麻酔も腎臓の負担になると医師から説明されたのですが
    手術した方がいいのはいいらしいですが…
    手術担当医と日程調整がいるので、今日はおしっこを取って、点滴で帰ってきました。
    ちなみに費用はいくらぐらいでしたか?
    差し支えなければ教えて頂ければ幸いです。

    1. necobit(ねこびっと)のアバター

      みほさんコメントありがとうございます。猫さん片方の腎臓で頑張ってるんですね!

      私たちは急性腎不全や尿路結石についてもよく知らなかったので、(3日もつかどうかわからないと言われた緊急事態でしたが)、この病気がどういう状況でどうしてこの手術方法を選ぶのか、熱血授業ばりに獣医に質問しまくり、理解と納得をしたうえでお願いしました。

      うちのたまは、入院当日に開腹手術で尿管の詰まった原因である結石を取り出す予定でした。
      しかし、メスを入れる直前に、詰まっていた尿が一気に出て結石による閉塞が解除され、手術は中断となりました。

      獣医によると、手術のはじめに投与した鎮静剤には、筋肉の緊張をゆるめる効果もあるので、それで結石の位置がずれて詰まりがとれたのではないか、とのことです。
      麻酔もかかっていましたが悪影響はありませんでした。

      翌朝からは、静脈点滴を続けて、血液検査の数値が安心なところまで下がるまで、一週間ほど入院しました。

      麻酔は腎臓に負担がかかるという説明は、私たちも同じように受けましたし、入院中も急に命を落とす可能性はあると言われました。

      獣医の判断は猫の状態をみながら治療方針を柔軟に調整してくれるものなので、麻酔のリスクの方が上回っている場合にも手術をすすめる、ということはないと思います。

      それから2年、定期的な血液・尿検査と、自宅での点滴・療法食で治療が続いています。

      何度か同じように閉塞で急性腎不全になりかけもしましたが、手術までいかず結石が流れてくれて、ぱっと見は腎不全持ちとはわからないくらい元気です。

      みほさんの猫さん、無事に回復しますように。

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