オーディオにおけるデジタル接続のメリット、デメリット

necobitではMacをレコーダーとして、Windowsをその音源として
S/PDIFデジタル(光)で接続して録音している。
(※詳しくはコチラ

のだが。

ソフトサンプラーのMachfiveから出る音が
何度やっても途中で「プチッ」と途切れてフリーズしてしまい、
何時間もその原因を探るハメになった。

VSTホストとして使っている「console」の不調かと思って
フリーソフトのホストを使ってみてもダメ。

オーディオインターフェースの「E-mu 0404USB」のドライバー不調かと思い
ドライバーを入れなおしてもダメ。

なんだなんだと思って、ふと気がついたのが、
サンプリングレート。
普段48kHzで制作している環境を、今回はクライアントの指定が
あったため、44.1kHzで制作していた。
それを48kHzに戻してみると、何の問題も無く再生録音が出来た。

このサンプリングレートとは。

44.1kHz(44100Hz)の場合、
1秒間を44100に分けて音声の波を録音、再生する。

48kHz(48000Hz)の場合、
1秒間を48000に分けて音声の波を録音、再生する。

えーと。
とても噛み砕くと。

例えば。
20081001hakei1.jpg
こんな音声の波形があったとする。
(音の波形をどんどんどんどん拡大していくと、
こんな形の波が見えてくる)
この横幅が一秒間として、

わかりやすく4Hzの場合は、
20081001hakei2.jpg
1秒間を4回に分けたので、こんな形として認識される。

これが8Hzになると、
20081001hakei3.jpg

なんか少しもとの形に近づいた気がする?
ので、数値が大きいほうが元の音に近いものが
データとして録音、再生できるんだけども、
これが統一されていないとトラブルが起きてしまう。

今回の場合は、サンプラーを使って、
48khzで録音されていた音を44.1kHzで無理矢理ならそうとしたため、
パソコンが「割り切れねえし、無理。」と言って、
拒否されたと。

あーあれだ。テンポ100でしか再生できない曲が流れる中
テンポ110でタクトを振る指揮者みたいな。違うか。

で、アナログだったらケーブルをさして録音するだけで
面倒な設定あわせもしないで済むのにわざわざなんで
デジタルで接続するのかというと、
「音の劣化がほぼ無い」というのに尽きる。

デジタルの録音はあくまで0と1のデータをやり取りするので、
基本的にはエラーが起きない限り音質劣化が無い。
※実際にはクロック(指揮者)の精度で劣化が起きたりする。

アナログの場合は
0と1のデータを音声へと変換(デジタル→アナログ)して、
その音声をまたデータへ変換(アナログ→デジタル)するので、
変換精度が低いと音質劣化に直結する。
(大抵は、音が細くなる、ノイズが増える等)
そして、精度の高い機械は、高い。

というわけで、自宅スタジオでてっとり早く音質劣化を
防ぐためには、クロックをしっかり管理したデジタル接続かなと。

んじゃあ48kHzで作られたものは44.1kHzに出来ないのかというと、
当然それじゃ困るので、DAWでも変換できるし、実はiTunesでも
変換できる。
しかしそこは割り切れない計算(48000÷44100とか)なので、
変換するソフトでも変換後の音質が変わってきたりする。

うーむ、デジタルデータって、便利だけど融通が利かない(笑)

作成者: necobit(ねこびっと)

音楽と電子工作でMIDI寄りものづくりをするユニット。MIDI制御基板の開発・販売、製品作例として自動演奏化楽器の展示・音とメカのパフォーマンスを行なっています。

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